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規約運営-組合運営(総会・理事会・会計)
 管理組合役員の新旧引継
 
QUESTION :
 管理組合役員の新旧引継はどうすればいいですか?
 

ANSWER :
1.役員の選任と活動のはじめ

 管理組合の役員は、毎年の通常総会で選任され、実際に活動を始めるのは、その後、1ヶ月過ぎになります。
 なかには、役員に選任される以前に役員候補として通常総会前の理事会に出席し、翌年度の事業計画(案)作成に参画するようにしている管理組合もあります。これは前任者が計画した路線を新役員がただ実行するだけというのでは、新役員の“やりがい”をそぐことになるので、新役員が作った計画によって新役員に管理組合事務を執行してもらおうという現れです。
 多くの管理組合は毎年役員が全員交替しますが、これによって継続的な管理運営が円滑に行えないため、1.役員の半数交替制をとっているところ、2.前期の副理事長が次の理事長になるというルールを定めている管理組合もあります。
 管理組合では、次期役員を選出する際、役員のなり手がなく困っているという例が多くあります。
 管理組合の円滑な運営を進めるためには、組合員全員が一度は役員を経験し、管理組合に対する各組合員の意識育成が望まれます。
 しかし、組合員の多くは、働きざかりの年代で日中相当厳しい仕事を担当しているため、自宅に帰ってまた管理組合の業務を行うことにわずらわしさを感じているのも事実です。
 そこで、役員選出に伴って考えなければならないことに管理会社との関係があります。管理会社が管理組合の業務について、役員にかわって代行する、または補佐し、理事が必要とする各種の案件を作成、提案するなど、役員に負担が重くならないようになれば、役員を引受けようとする組合員も多くなることでしょう。
 また、役員資格者は組合員と限定されているのが通常ですが、組合員の配偶者まで範囲を拡げるよう管理規約を改定すれば、役員の対象者を増加することもできます。役員の選出については、次のような方法がとられています。

  1. 公募
    管理組合選挙管理細則などのルールづくりをして候補者を公募する方法です。
  2. 推せん
    現役員が中心となって、役員候補者を選出する方法です。
  3. 輪番制
    各フロアーをグループ別にして、その中から輪番で役員を選出する方法です。

 3の中には室番号順に選出する仕方と、過去役員を経験した人を除いて抽選で選出する仕方の二つがあります。
 いずれにしても新役員の活動が始まるのは1ヶ月程度あとになるのが通例のようです。というのは管理組合では、通常総会が終了すると旧役員のもとで総会議事録が作成され、新役員への引継の準備が行なわれ、新旧役員の引継が丁度1ヶ月後に行なわれることになるからです。
 理事会は、総会で決議した事項および管理規約に規定する組合業務を執行するため、理事長、副理事長、および理事で組織されます。
 その運営については、理事会の招集、開催時期、議決の方法、議事等のルールを作っておくことがよいでしょう。
 管理組合によっては、会場の都合あるいは理事のスケジュールによって定期的な理事会が開催できないことがあります。このようなときは書面による回覧をして各理事から案件に対し理事の意見を記入してもらうなどの工夫が必要です。

 
2.新旧役員の引き継ぎ

 新旧役員の引継は、引継書を作成している管理組合もありますが、大半は新旧合同の理事会で、通常総会議案書および通常総会議事録に基づいて行ないます。また通常総会の審議対象とならない理事会の事務的な事項および懸案事項と会計関係についても引継ぎをします。
 引継に際しては、次の書類について、引継目録を作成して行うのが望ましいことです。

規約関係 管理規約(原本)
協定および細則(原本)
管理組合創立総会議事録(正本)
通常総会および臨時総会議事録(正本)
理事会議事録(正本)
管財関係 設計図書一式
修繕工事記録簿
模様替許認可綴
会計関係 予算案および決算報告書(正本)
管理委託契約書および仕様書
駐車場利用契約書
その他の契約書類
現金
預金通帳
有価証券
現金出納帳
預金出納帳
収入支出基本台帳
備品台帳
固定資産台帳
有価証券台帳
積立金台帳
支払証拠書類
収入および支出伝票
伝票の附属書類
 

 なお、引継は、目録に基づいて、それぞれの担当理事から現物を引継ぐようにしたいものです。理事会である書類が必要になって取り出そうとしたところ、引継目録には掲載されていたが、現物がなかった等ということでは、前理事に再度手数をわずらわせることになりますし、保管されているはずの有価証券がないなどということになりますと、大問題になります。

 そのようなことが起きないよう引継には、時間をかけ入念に行うことです。

 
3.懸案事項

 理事会には懸案事項として、前理事会で処理し切れなかった問題があります。
 それはどのような問題なのか、内容取扱いにどのような難しさがあるのか等、担当理事から関係書類によって引継を受けることが望まれます。
 あるマンションで管理組合の総会の席上で最上階に居住している組合員から「入居3年目に押入の天袋から雨漏りしたので当時の理事会に補修をお願いしましたが、今もって補修してもらえません。自分が住んでいる時は何とかがまんをしますが、転勤になって、住宅を売る時は、価値が下ってしまうのではないかと困っています。何時になったら、なおしてもらえるのでしょうか。」という質問がありました。
 補修の申し入れがすでに8年も経過していることなので、理事会に引継れておらず質問には回答できませんでした。これなどは引継が十分になされなかったために、大切な問題が忘れ去られてしまった悪い例です。この人は非常におとなしく、気の長い人であったので、総会でもの静かに困窮を訴えたのですが、普通は何年間もじっと待ってはいません。このようなことが理事会はじめ管理組合の不信につながり管理組合の運営を危うくするのです。この例では理事会が個人の住宅の問題と軽く考えたのか、あるいは問題処理の仕方がわからなかったのかもしれません。しかし通常、雨漏は屋上防水または外壁に何らかの問題があったために起ることで、組合の管理対象物にかかることです。
 また雨漏れには瑕疵問題がからみますので放置して瑕疵請求ができなくなったら大変なことです。このようなことが理事会に対する不信となって、管理組合が将来実施しなければならない計画修繕の合意形成も困難となってきます。
 新旧理事会の引継の中における懸案事項は極めて大きな問題を孕んでいるといえます。

 

 
 
 
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