3.管理組合の運営について知っておくべき基礎知識を教えてください。

Q3-17.大規模修繕工事の実施にあたり専門委員会を設置したいと考えていますが、どのような手順で進めたらよいでしょうか。

 管理組合の運営は理事会によって行われるのが基本ですが、管理規約の改正、共用部分の変更、大規模修繕工事の実施等のような詳細の検討を要する課題への対応については、そのための事前の調査、検討や準備、さらには実施について、一定の期間、相当の労力や専門性が求められ、理事会のみでは対応できないことがあります。このため、標準管理規約第55条は、①理事会がその責任と権限の範囲において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる、②専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する、と規定しています。以上より、専門委員会の性格は理事会の諮問機関と考えられ、理事会は、専門委員会の具申を受けて、その内容を検討し、修正すべきは修正して総会議案を作成のうえ、総会に諮ることになります。
 なお、専門委員会の活動費が理事会活動に要する経費として予算計上されている額を超えるような場合や運営細則の制定が必要な場合などは、専門委員会の設置、運営細則の制定及び専門委員会の活動予算などについて総会の決議が必要であると考えられます。
 専門委員会の設置に関して、改正標準管理規約コメント第55条関係③では、「専門委員会を設置することが想定される具体的な事例としては、大規模修繕工事の実施に当たって、計画の立案や業者の選定等を実施するための修繕委員会を設置する場合が考えられるが、この場合、工事請負契約等の多額の発注・契約に関する管理組合としての意思決定に直接的に関与することが想定される。そのため、部外者が修繕委員等の専門委員になりすまし、専門委員会における検討プロセス等を妨害した場合、管理組合が多額の損害を被るおそれがあることから、そうした事態を防止するためには、専門委員候補者の本人確認を適切に実施することが有効と考えられる。本人確認の方法等は、コメント第35条関係⑩※を参照のこと。」としています。

※改正標準管理規約コメント第35条関係⑩(抄)
「具体的には、マイナンバーカード、運転免許証、パスポート等の顔写真付きの身分証明の提示を求める等の方法により本人確認を行うことが考えられる。(略)マンション管理に係る専門知識を有する外部の専門家を選任する場合は、顔写真付きの身分証明書に加え、専門家の資格に係る身分証明書の提示を求めることが考えられる。