3.管理組合の運営について知っておくべき基礎知識を教えてください。

Q3-29.理事会による管理を行う方式を止めて、管理業者管理者方式に移行するためには、どのような手続きが必要となりますか。管理業務委託契約だけでなく、管理者業務に係る委任契約をも締結しなければならないのでしょうか。

 管理業者管理者方式に移行する際には、事前に、管理者の業務の内容や執行方法等について管理業者と協議します。協議が整った後に、総会において、理事会方式を止めること、管理業者を管理者に選任し管理を依頼することを決議するとともに、管理者の業務に係る契約の内容及び当該契約内容により契約を締結することを決議する必要があります。
 管理者の業務に係る契約の内容について、国土交通省は、令和7年12月12日にマンション標準管理者事務委託契約書及び同コメント※を公表しています。このマンション標準管理者事務委託契約書は、管理業者が、令和8年4月1日施行のマンション管理適正化法第73条に規定する「契約成立時の書面」として交付する場合の指針として作成されたものですから、管理組合が、管理業者と管理者の業務内容等について協議する際には、この標準管理者事務委託契約書及び同コメントを参考にするとよいでしょう。主な内容は次のとおりです。

  • ・管理者の業務内容S

  • ・管理者の業務体制

  • ・印鑑等の保管

  • ・管理者事務の報酬

  • ・管理者事務の報告

  • ・契約の途中解除、更新、終了時の措置

  • ・利益相反取引の制限

 なお、マンション標準管理者事務委託契約書等の活用に当たっては、一部改正省令の改正事項に係る内容については一部改正省令の施行(令和8年4月1日)後に締結する契約から改正後の規定が適用になることにご留意ください。 管理業者管理者方式に移行する場合には、管理業者との間で締結している管理委託契約の内容も変更する必要があります。国土交通省が「マンション標準管理委託契約書及び同コメント」※を公表していますので、必要に応じて参考にしてください。主な内容は次のとおりです。

  • ・管理者事務受託契約と管理事務受託契約との重複の整理

  • ・管理者事務、管理事務の部門及び担当者の分別

  • ・定期の説明会開催による組合員等に対する報告義務

  • ・管理規約等の提供・開示に係る費用の算出根拠

  • ・契約行為の相手方

  • ・利益相反取引の制限

 また、管理業者管理者方式に移行する場合には、管理規約も改定する必要があります。国土交通省では「マンション標準管理規約(単棟型) 管理業者管理者方式を採用する場合の書き換え表」※を公表していますので、必要に応じて参考にしてください。(Q3-30を参考にしてください。)
※「マンション標準管理者事務委託契約書」、「マンション標準管理委託契約書」、管理業者管理者方式を採用した場合における「マンション標準管理規約(書き換え表)」の策定・改正について(令和7年12月12日)