3.管理組合の運営について知っておくべき基礎知識を教えてください。

Q3-27.マンション管理業者が管理者になった場合(管理業者管理者方式)のメリット・デメリットを教えてください。

 標準管理規約は、理事長、副理事長及び会計担当理事等をもって構成する理事会が管理を行う方式(理事会方式)を前提にしていますが、理事会を置かず、マンション管理業者が管理者となる管理方式(管理業者管理者方式)を採用することもできます。既存のマンションにおいて、役員の担い手不足等を背景として管理業者が管理者として選任される事例や、新築マンションにおいて、管理業者が管理者に就任することを前提に分譲される事例が増加してきています。
 管理業者管理者方式(管理業者が管理者となる場合)については、一般的には、以下のようなメリットとデメリットがあると指摘されています。
 委託契約の内容や管理規約の内容によってメリット・デメリットの内容は変わってきますので、管理業者管理者方式の活用については、こうした点も含め、区分所有者の理解を得ながら丁寧に検討を行うことが必要です。
 また、検討の結果、管理業者管理者方式を採用する場合は、管理者が第三者の管理業者になりますので、管理者に任せきりにするのではなく、管理者の業務執行状況の監督等を適切に行うことが重要となります。

【メリット】

  • ・区分所有者の負担軽減につながることがあり、役員の担い手不足の解決策となる場合があること

  • ・管理業者が日々の管理事務とともに管理者業務を担う体制となり、専門的知見に基づく機動的な業務執行が期待できる場合があること 等

【デメリット】

  • ・必要な範囲を超えて管理者権限が強くなることで、管理者に対する監督が弱まったり、マンション管理に対する区分所有者の関心の低下につながったりするおそれがあること

  • ・管理者の報酬を支払うことに伴い管理組合の支出が増大し、管理組合と管理者との自己取引やグループ会社との間における取引を通じ、管理組合と管理者との間における利益相反が生じる可能性が高まること

  • ・規約の定め方によっては、元の理事会方式に戻すことを希望する場合に、困難となる可能性もあること 等


 管理方式を理事会方式から管理業者管理者方式に変更する場合には、管理規約を改正し、管理者と管理者事務委託契約を締結する必要があります。国土交通省では、管理業者管理者方式に変更する際の「マンション標準管理規約(単棟型)管理業者管理者方式を採用する場合の置き換え表」及び「マンション標準管理者事務委託契約書及び同コメント」を令和7年12月12日に公表していますので、必要に応じて参考にするとよいでしょう。

 また、管理業者管理者方式を採用する場合の「マンション標準管理委託契約書及び同コメント」も改正されていますので併せて参考にするとよいでしょう。